11月21日(金)

●午前3:30に起床。着替えを済ませ、顔を洗う。前日、ネットでソウルのこの3日間の天気と気温を調べたら最高気温が8℃前後だったのでこの時から厚着をしていく事に。

●午前4:30。親父の知り合いの建設会社社長と合流。社長さんは今日からソウルに視察に行くという。乗る飛行機の便も同じだし、ならば1台の車で空港まで一緒に行った方が、駐車料金や高速料金などを割り勘で安く上げられるので良かろうという事で名古屋空港まで一緒に行く事にしたという事。途中、掛川で社長さんと一緒に視察に行く取引先の方も同乗して車中は5人に。
さてこれで東名高速に乗り一路、名古屋空港まで車を走らせていたのだが、車内は親父を始め中年男3人のオヤジ特有のタバコとポマードの臭いで極めて気分が悪くなる。喫煙者でもタバコの煙は充満すれば苦しくなる上、ポマードまで追加とあっては臭いはかなりしつこく、窓を開けても出て行かない。この混合臭ははっきり言って化学兵器並だ。そんな臭いを2時間半ほど嗅ぎつつ名古屋空港へ到着した頃には、体調はかなりガタガタになっていた。

●午前7:20。空港内で搭乗手続き。初めての海外旅行なので勿論、出国審査も初めて。なにか簡単な質問でもあるのかと思ったら、パスポートとチケットを見て事務的に判子を押すだけなので拍子抜け。まあそうでなくてはスムーズに人を流せないんだろうけど。
トイレに行ったり、免税店を見たりしながら時間を潰し午前8:30、バスで飛行機の中へ。座席は機体中央の列の右端である為、外が見えない。しかも飛行機の中は蚕棚ばりにみっちりと乗客が詰まっている為に「防衛漫玉日記:サイパン編」のヒロポンの様に開いている窓際の席に陣取り、サービス酒をあおりながら「くもォ〜!下にくもぉ〜!」などと喜ぶ事も出来ない。更には俺の後ろの席の見知らぬオヤジがこれまたポマードの臭いを強烈に振りまいている為に一向に気分が良くならない。早くもグロッキー気味の臭いに弱い俺。
さて飛行機は乗客の搭乗完了が遅れた為に、予定より30分ほど遅れた午前9:30に離陸。暫らくして機内食が配られる、機内食も初めてだがコンビニ弁当より不味く半分以上残した。因みに献立は海苔巻に卵焼き巻、魚肉ハムに肉団子にムース。機内サービスで酒もでるのだが、俺は前述の臭いですっかり気持ち悪くなっていたので酒を飲まずお茶を頼む事に。その際、おかきとピーナツが入った「おつまみ」小袋を渡された。周りはこのおつまみでビールを飲り始めている。さあこの匂いとアルコールの匂いが混じればどうなるか、社員旅行若しくは町内会等の旅行のバスに乗った事のある人なら解ると思う…。そう、あの絶望的にまで安く、情けない臭いになるのだ。しかも旅の開放感とアルコールの高揚感の相乗効果で、乗り合わせた周りの見知らぬオヤジ達一行は既に町内会旅行のノリになって、写真撮ったり、御近所の噂ではしゃいだりのもう飛行機の中なんだかバスの中なんだか解らない状況に。こうなったら本を読んで集中して無視しようと持参の「今昔続百鬼―雲」を読み始めたが、後ろのオヤジが立ち上がる度に俺の椅子に手をかけるものだから、ガコガコ揺らされてかなり気分が悪くなってくるので本に集中できず結局、ソウルに着くまでの1時間15分、俺にとっては地獄の有様であった。

●ソウル着。地獄の悪臭、椅子揺らされ飛行機からようやく開放され仁川(インチェオン)空港に降り立つ。何か足元がおぼつかない。そこかしこに日本語の書いてある看板がある所為か今だ外国へ来たという実感がない。入国審査を済ませ荷物を受け取り、社長さん達と別れる。
円からウォンへの換金を済ませて、ロビーにて現地のガイド「曹 美淑(チョ ミスク)」さんと合流。まだガイドになって1年半という若い綺麗な女性だ。曹さんが言うには今回のツアーに参加しているのは我が家3人だけという事。ツアーというよりはプライベート旅行みたいな感じに。
空港から外へ出ると寒い、確かに寒い。「大体何℃ぐらいですかねー。」と尋ねると「大体0℃くらいでスネー。」と言われる。そりゃ寒いわ。そうこうしている内、送迎車が来たので乗りこみ市内へ。曹さんの説明によれば仁川空港は海を埋め立てて人工島を作りその上に建てられたという。空港から市内へ向かう片側4車線の広い高速からの風景を見ると周りは海だらけなのでそれが良く解る。しかし「この風景何か見覚えあるなあ…」という既視感が。どこで見た風景だっただろうと考えつつ外を見ているとゴールデンゲートブリッジの様な大きな橋が見えてきた。その瞬間、頭の中に鮮明にある画像が浮かび上がった。そうだ、こりゃ「GTAV」のリバティーシティーだ!リバティーシティーのポートアイランドとストートン島が混じった感じなんだ!
そんな馬鹿な事を思っていると曹さんが「あれが国会議事堂デスネ。」と川向こうの細長い建物を指差す。「あそこでは毎日、お金持っている人が悪い事しているンデスネ。」と言い、日本とあまり変わらない韓国政治事情を話してくれた。「そういやこの間も賄賂を巡って元大統領の別邸に押しかけてデモやってましたね。」などと無駄知識を言う俺。「でも殆どの人は政治については諦めちゃっているんデスヨ〜」とこれまた日本と変わらぬ民衆の思いを話してくれた。その際に親父が新大統領になってから少しは変わったかと尋ねると「結局、何も変わらないですネ〜。」というので「大統領が変わって劇的な変化を起したのは、全 斗煥(チョン ドファン)が1979年に軍事クーデター起した時ぐらいじゃないの?」と発言。すると曹さん「そうですけど何で貴方、知っていまスカ?」と聞かれたが「韓国でアニメ禁止にした人だから。」などというがっぷ獅子丸先生の著書から得た無駄知識は口が裂けても言えず曖昧に誤魔化しておいた。

●ソウルの市内に入り、昼食を取る為に観光客向けのトルソッピビンパプ(石焼ビビンバ)の店へ。この店のある区域は道が狭い上に道の両側にやたらと路駐してある為、何となく名古屋の栄っぽい雰囲気。昼食メニューはトルソッピビンパプとサンナクチ(胡麻油が絡めてあるタコ足の刺身)とチヂミ。タコ足は長くぶつ切りにされ、まだうねうねと動き、皿に吸盤がへばりついているので剥がすのに手間取る上、口の中に入れると舌に貼りついてくる。コリコリして旨い。チヂミはお好み焼きより大分薄いが油っぽくてどうも性に合わない。ピビンパプは親父に言わせれば、観光客用と言う事もあり大分味が落ちると言う事だが、それでも俺にとっては日本の焼肉屋で出すものより旨いと思った。

●昼食後の事であるが、曹さんは今回ははっきり言って貧乏クジをつかまされた。うちの親父は出張や得意先の接待、友人の会社の案内役として何度も韓国へ行っている内にソウル市内の事を殆ど覚えてしまったのだ。その為ツアーでは昼食の後、市内観光とショッピングが入っているのだが市内観光はパスする事に。しかも2日目の終日フリータイムも本来ならガイドが不慣れな観光客の為、行きたい場所の案内役を務めるのであるが案内も必要ないと親父がいう。曹さんにとってはまさに貧乏神である。結局「じゃあ、ロッテデパートの免税店とお土産屋で買い物して早めにチェックインしまショウカ…。」と曹さんかなり凹み気味の御様子…。

●市内のお土産屋に着き、店内を廻る。やはりキムチや海苔を進めてくる。アクセサリーを手にとって眺めていると店のおばさんが、俺の右手人差し指にはめられた「フロワ ティエドール」の「罪と罰リング(Sサイズ)」に気付き「それはシルバーでスカ?竜のデザインでスカー?」と聞いてくるので「いえ、女性です。」と見せると「アレー、いやらしー」と言われ、一緒に見ていた曹さんにまで「大人しい顔してイヤラシーのつけまスネ―。」と言われてしまった。結局、この店では何も買わず退店。
次に向かったロッテデパートは超1流ホテル、ロッテホテルの隣にある12階建てのデパートで10階と11階が免税店になっている。「じゃあ1時間後にココで」とシャネルのブースの前で各々解散。プラプラと廻るとフェンディ、グッチ、アルマーニ、ルイ・ヴィトン、プラダと流石に1流の店が入っている。いろいろなデザインの服やバッグを見て廻るだけでも充分楽しいが…買えない。欧米人も良く買っているがやはり日本人の方が多し。そんなんでぷら〜と廻っていると「フロワ ティエドール」の「性華ペンダント(Lサイズ)」(3万7千円)のリングと紐の部分が無い奴が5千円で売っている!リング部分が無いのが痛いがその他は傷、汚れなし!これはこれでアレンジして使えるので買おうと決心して購入する。戻ってくると親父はベルトを買っていた。一通り廻って買い物をして集合場所に戻ってくる俺達を見て曹さんもほっとした様子。

●午後3:30。コリアナホテルへチェックイン。両親は20階のツインルーム、俺は16階のシングルルームへ。冷蔵庫の上にある市価の7倍以上する飲み物の値段表を見て目ン玉飛び出そうになる。(例:自販機ではコーラ1本400ウォン(約40円)だが冷蔵庫にあるのは3000ウォン。どーやったらこんなになるんじゃろう?)とりあえず椅子に腰掛け、しばしテレビを見る。カートゥ―ンネットワークで「トム&ジェリー・キッズ(子猫、子鼠になっているバージョン)」をやっていた。

●午後4:00。街中に出て飯を食うまでの間、明洞(ミョンドン)をぶらつく事に。
人の活気が凄い。コスメ店が並ぶ区域や飯屋が並ぶ区域がごっちゃになっている上、屋台や露店が建ち並んでいるために銀座、上野、渋谷がグッチャグチャにかき混ぜられたような雰囲気。明洞は女子学生が結構いる若者の街だと事前に学習したが確かに女の子が多い、それも可愛い子が多い。露店や飯屋の人は日本人と見るや否や「お兄さん、安いネ!」だの「焼肉、美味シーヨ!」と呼び込みを(時には袖を引っ張って)かけて来る。
暫らくして大通りを外れ、1軒の焼肉店へ入る。ここはあまり日本語が通じにくかったが親父の通訳でカルビ2人前、牛バラ、ユッケジャン2人前、ビール1本を注文。この時、韓国では焼肉を注文するとナムルやキムチ、チャンジャなど5〜6種類の小皿料理(しかも無料かつお代わり自由)が出てくるのがデフォルトだと知る。昼飯の時も出てきていたが、あれは観光客用のメニューだと思っていた。焼肉は肉が旨く、ユッケジャンは御飯を一緒に入れて雑炊風にして(これがデフォルトとの事)食うと辛さが丁度良くなり旨い。旨いが1人前が1.5人前ぐらいあるので腹がパンパンになってしまった。そういえば曹さんが日本に留学した韓国人が不満に思うのは、日本の外食の量の少なさだと言っていたが、それを身をもって体験した。食後に琥珀色をしていて、底に飯粒が沈んでいる飲み物が出た。味は甘酒の様な感じでトロリとした喉ごし、熱く辛い料理の後に優しい甘さと冷たさが心地良い。しかもこれだけ食って2500円というのは安い。但しこれは大通りから外れた店だからこれだけ安かったのだ、事実、後述する2日目ではボッタクられたのだから。
満足して外へ出て今度は東大門(トンデムン)の総合デパート、「ミリオレ」へタクシーで向かう。初乗り160円(但し中型タクシーの事。模範タクシーと呼ばれる観光客向けの1流タクシーの料金は倍するらしい)てのが驚きだ、ついでにクレイジータクシーばりの運転っぷりにも驚きであった。車線変更の際、隣に車がいてもガンガン幅寄せするし、少しでも車間があれば車体を捻じ込もうとするしで恐ろしい。その為、交通事故は日常茶飯事らしい。それを防ぐ為に至る所に交通指導員が立ち交通整理をしているがそれよりもまず、身につけなきゃいけないモノがあるんじゃないだろーか?

●ミリオレに着く。ミリオレはソウルの女子大生が良く利用するカジュアルデパートとの事。日本でいう109みたいなもんかな?ミリオレ周辺も人の活気がある。中も凄い人だ、ここでもやはりカモは日本人の様で山ほど声をかけられる。「お兄サン、バッグあります!」「アメジスト安いでスヨ〜。」「シャチョー、時計イカガデスカ?」
親父たちがコピー商品のバッグを見ている間、俺はシルバーアクセの店を見てまわる事に。お店のお姉さんに「韓国オリジナル若しくは貴方オリジナルのアクセはありますか?」と聞くが韓国では自分の工房を持ち、オリジナルブランドを作る人はあまりおらず、コピーや輸入品(クロムハーツ、カムホート)が殆どとの事だった。確かにコピーは沢山並んでいる。「ホラコレ、お兄さんのはめているリングのコピーね。」と例の「いやらしー」リングを取り出して見せてくれた。コピーでも良いから何かないかと思い探したのだが、サイズの合うリングや気に入ったデザインが無かった為に何も買わずに店を後にする。親父達も気に入った物が無かったらしく何も買わずにミリオレを出る。その際にミリオレ内の下着専門店でエロいデザインのパンティを見かけたのだが…韓国ッ娘はあんな勝負下着着けるんか?と思う程スッケスケだった・・・。でも彼女に是非とも着けてもらいたい1品。いないけど。
20:30頃、外へ出ると風も冷たくなってきていたので、屋台や地下街を見て廻った後ホテルへ帰る事にする。

●20:40頃。ホテル到着。疲れがどっと出て風呂に入り、21:30頃にはベッドに入り早々に就寝。夢も見ないほど爆睡してしまった。

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